FNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFN

           メール・マガジン

      「FNサービス 問題解決おたすけマン」

================================================================

    ★第169号       ’03−02−28★

================================================================

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

     レトロじゃダメ?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

●前号を綴りながら

 

山本一力氏の<あかね空>、全く知らないではまずかろう、せめて書評

でも、とネットを検索したら、、 いや、さすが、「時代小説の逸品、、

作者の人間を見守るような眼差しが惹き付けてやまない」、

 

「内容も文章も良い、特に会話が良い」、「江戸時代にタイムスリップ

して取材してきたんじゃなかろうか、、」と感じられるほどの「臨場感

あふれる筆運び」など、AAAからAまでズラリ。

 

快調な前半に比べ、後半が<ご都合主義>的、という指摘も複数あった

が、まあ小説、所詮<作り話>ですからねえ、、 いわば<都合>だけ。

 

 

スルドイ! もあった。 「要するにお年寄り向きのトレンディドラマ

なのではあるまいか? 、、人情噺の定石をピタリと押さえていて、、

見事なものだな、と感心はさせられた。 が、

 

しかし、だからどうしたというのだ?この先に何が生まれる?との、、、

疑問もまた心の底に沸いて来る、、読んでいて心が小さく小さくなって

行くようで面白くない」ので評価はB、とした一文。

 

レトロ気分に浸っていては進歩向上などあるまい、、 あれ?どこかで

聞いたぞ、、 そう、<あかね空>と同じ ETV2003 <シリーズ日本人

への提言>第1回「不況下で強く生きるには」の中、

 

番組後半の主人公、慶応大学金子勝教授のお話で、でした。 「2003年

は修羅場、、 このままでは保たないと考え、開き直るべきだ。 が、

うまく行った時代を懐かしむばかりで開き直れず、

 

みんなレトロ気分に陥っている。 NHKのプロジェクトXもその一つ。

過去の成功を<癒やし>として提供し、さながら俺たちは頑張ったんだ、

責任は無い、というメッセージ。 積極的にやろう、が無い」、、と。

 

銀行、金融監督官庁の責任をハッキリさせた上で公的資金の徹底投入を、

と主張なさる教授には、レトロが無責任の裏返しに見える、らしい。

 

  となると、このメルマガ再々のサーモ屋体験談もレトロ、かな?

  <癒やしとして提供>したことは無かった、と思いますが、、

 

  <プロジェクトX>にしても本来<癒やし>番組ではないはずです

  が、やたら<泪>を強いるあたり、そう言われても仕方ありません。

  しかも、それがウケている。

 

  あの意味不明なテーマソングの大人気が何よりの証拠。 あり得ぬ

  ものを並べて何が♪みんなどこへ行った?♪だ? 得体の知れない

  呪文みたいな、、とバカバカしく思うが、フツーの受け止め方だと

 

  唄はリクツじゃないだろう、カタイこと言うなよ、みんな癒やしを

  求めているのさ。 レトロ、良いねえ、、 (やはり、無責任?)

 

   など想っていると、たまたまローカル・ニュース。 豊後高田市

   が商店街のうらぶれ加減、失礼、ビンテージな街並みをそのまま

   生かした<昭和の町>、時宜に適って千客万来、なんてやってる。

 

   同じ商品でも、昔通りのパッケージにした方が何倍も売れる、由。

   客も大方ビンテージ世代だが、若い世代も結構チラホラ、、

 

   なるほど、やはりレトロ・ブーム、、 TVの前で呟きましたよ。

 

*   *

 

しからば何をすべきか? について教授は、  

 

「コスト切り下げで労働が過酷化しているのに、年金や健保、社会制度

は旧来通り<長期安定就労>基準。 それらを短期契約労働や転職でも

不利にならない、安心できる仕組みに改めねば、、」 そのためには

 

教育や政治から変えねば。 自立と尊厳を取り戻せ、それ無きは病んだ

社会、、とも言われたが、自立と尊厳、以前はあった、のかなこの国?

 

「陳情しては補助金をせびる物乞い的地方自治体も、リストラされたく

ないの一心で周囲に同調して生きる勤め人も、<人間らしい生き方>と

言えるのか?」  (でも教授、それは遙か昔から、だったんじゃ?)

 

「一部の腐った人(天下り官僚のこと?)がどんどん食い逃げし、多く

の若者は逃げ惑って自己防衛で精一杯。 そんな現状はフェアじゃない。

無責任を放置せず、優秀な人が日本で頑張れるようにしなくちゃ」と。 

 

異論は無いがやや政治レベル、ノン・ポリ<おたすけマン>にはどうも、、、

 

*   *   *

 

金子教授は最近<希望のビジネス戦略>という本(ちくま新書 378)で

企業再建、企業体質改善の提案をされた由。 それは、かつてマイクロ

ソフト日本法人社長だった成毛眞氏との共著です。

 

番組の中で教授は、成毛氏の<株式会社インスパイア>の活動を、米国

的ベンチャー・キャピタルとは似て非なるユニークな事業、と紹介。

 

即ち事業会社や投資家から集めた資金を、株式取得の形で伝統的産業に

投入し、コンサルティングを行なってBPR(リエンジニアリング)や

IT化を進め、建て直しを図るという。 

 

<伝統>は時にシガラミ、BPRを妨げます。 株主はいわば<外圧>、

まずイ社は、抵抗を排除する<力>になる。 次、<提案だけで成果は

見届けない無責任なコンサルティング▼>にはしない。 しかも

 

<古い>分野に絞る理由は、「オールド・エコノミー(製造業、建設業

など、従来の基幹産業)は人が生きる上での重要な産業。 簡単に切り

捨てることは出来ない」(成毛氏)から。 オトコ気が漂ってますな。

 

雇用維持を重んじ、IT化は企業内および企業間のコミュニケーション

向上を優先する、由。 ほう、それなら Rational Process の下地が 

あった方が宜しかろう、、 <おたすけマン>根性が目を覚ます。

 

  ▼サーモ屋は<コンサルタントの活用>など考えもしませんでした。

   1日24時間、1年365日、身も心も捧げている私より<現場

   知らずのテンポラリー>の方がマシな知恵を出すのかね? と。

 

   後年<中小企業診断士>の勉強で本職に会ったりした結果、上記

   に確信を益々深めて、<講師>に路線変更した次第。 ところで、

 

   講師の中にコンサル系のもおり、知識は豊富、話は滑らか、だが、

   技法実技指導はサッパリ。 やはり口舌の徒、、の印象でした。

 

  成功を祈りたいがイ社の<洋>才<和>魂、オールド人種にニュー

  への適応を果たせられるかどうか。

 

**********

 

 

 

●金子教授が期待をかけるのは

 

<中堅以下の若い世代>。 <上の世代>は彼らを育て、支援する側に

回るべき、と。 (それ、<おたすけマン>のこと?)

 

実際、我が<上の世代>の硬直ぶり、新しいテクノロジーに付いて行く

こともビジネス形態の急速な転変に応じることも難しかろう。 そんな

彼らがオールドのまま朽ちるのは自由、だが

 

ニュー・エコノミーへの進化を<若い世代>に早く委ねないと、この国

は保たない。 少なくともリーダーたる者、アタマが<若>くないと、、

 

と実感させる1冊は、ロザベス・カンター教授の<企業文化のe改革>

(副題:進化するネットビジネス型組織 翔泳社 2001年発行 原題:

EVOLVE!)。 読んで、目が回った。

 

 

たとえば p.362、1999年の年初は<航空宇宙産業・化学薬品のアライド

シグナル社>であった従来型製造企業が、その年<航空宇宙産業・制御

装置のハネウエル社>を買収、<ハネウエル・インターナショナル社>

となってeビジネス化し、

 

それが翌2000年には、ゼネラル・エレクトリック社の買収計画の対象に

なる、という急速展開ぶり。 業容拡大とオールドからニューへの脱皮、

大企業同士なのにこの短期間、はインターネット時代だからこそ可能、、

 

とは言うが、M&AやITの本場アメリカですら「、、実際には、成功

した変革にさえ過ちや挫折、そして未解決の問題がつきもの、、」の由。

 

しかし「徐々に変革を行なっても会社を変えることなどできない。、、

(とにかくやって)うまくいかないことは終わりにして、うまくいって

いることを進めるというやり方でやってみるしか、、」ない。 即ち

 

<これからはこう、を明確に掲げて自ら推進力となり、しかも失敗には

柔軟に対処、次々克服する>ことが必要。 アタリマエとは言え、我が

<上の世代>には望めない行動ぶり。 やはり<若>くなくちゃ。

 

*   *

 

困ったことに<抵抗勢力>はどこでも多数派。 ニュー・エコノミーの

リーダーは、<抵抗>をコミットメントに変える<チェンジマスター>

でなくてはならない、それには、

 

p.391 以降七つのスキルが解説されていますが、どれもアタリマエ

ながら<上の世代>には難しかろうこと、前記と同様です。 「多くの

企業では、重役たちが計画を発表し、、、後は部下たちが勝手に答えを

見つけてくれるだろうと放っておく」とあって、おお、アチラもか!

 

だから若い世代の成功者が多い、だから打開が早い、のかも。 <若い

世代>に活躍させない我が国、長い<閉塞>はむしろ必然でしたな。

 

*   *   *

 

面白い! と思ったのは p.414、「次の大きな仕事は、、、糧を与える

ことである、、、eビジネス・チームのリーダーたちはまったくタイプ

は異なるが、みな一様に、食事を提供することが非常に大切だと言った」

なる数行。 おお、ロウテク的配慮!

 

前々号、前号に続いて encouraging なリーダーのこの特徴に言及する

ことになるとは予想外でしたが、この取材はホンモノだ、と思いました。 

 

それは教授の<個人的に信奉しているマネジメントの法則>「あらゆる

物事は、中間期を見ると失敗しているように見える」でも同様。

 

「これまでにない新しいことを行なう場合」には、予期せぬ障害、疲労、

興味の散逸など色々発生する。 それらを克服すべく、リーダーは粘り

強く努力するはずだが、その時<上の世代>は encourage するどころ

か、<失敗>としか見ない。 やれやれ、洋の東西を問わない、らしい。

 

カンター教授によれば、「変革を促すカルチャーとは、すべてを完璧に

やるということではない。、、何事も素早くやってのけ、その結果から

学習して、次は違うやり方でやってみるということなのだ」 (p.355)

 

だからこそ、ニューへの脱皮には<若さ>が必要なのです。

 

**********

 

 

 

●ニューへの変革を

 

カンター教授は10の要素に分け、それらをスポークとする車輪を描き、

称して<チェンジ・ホイール>。 「どの要素も同等に大切で」、揃わ

ないと「車輪の回転は止まってしまう」と。 (p.356)

 

各要素の意義は簡略に解説されているが、その実現方法までは述べられ

ていない。 各個に知恵を絞らにゃなるまい、何かツールが、、 なら、

Rational Process ! でしょう?

 

 

イ社のコンサルティングでは、どうされるのやら? 最適案はその現場

でこそ見つかるものだし、その案の具現や成果を見届けるにも<そこに

いる>ことが必要。 だが、そんなコンサルタント、いるのかな?

 

若いチェンジマスターを立てても、オールド関連の知識経験が十分では

なかろう。 BPRで建て直そうにも、在来メンバーの知恵を集めねば

ならぬ、彼らをその気にさせねばならぬ、、 さて、どのように? 

 

<おたすけマン>なら、まず、マスターを誰にするか、にF先生式人柄

判別法、次にもちろん Rational Process の活用。 どちらも<人間>

という永遠のロウテク存在に根ざした技法、陳腐化には無縁です。

 

**********

 

ニュー要素で補強してオールドを存続させる、のが<レトロフィット>。

レトロじゃダメ、の金子教授が成毛氏を支持なさるのは、イ社の提唱が

この意味での<レトロ>、だからでしょう。 で、今回の結論、

 

  Rational Process は、企業<レトロフィット>の技法!

                          ■竹島元一■

     ■今週の<私の写真集から>は ★レトロ?★

 

================================================================

FNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFNFN

                       ■ホームページへ戻る